7月に入り、全国的にも気温の高い日が続いています。坂戸市周辺でも本格的な夏を迎え、熱中症への厳重な警戒が必要です。
熱中症といえば「炎天下での運動や屋外作業」をイメージしがちですが、実は全体の約半数が室内(自宅など)で発生しています。特に、ご高齢の方や持病(高血圧、糖尿病、心臓病、腎臓病など)をお持ちの方は、暑さや脱水の影響を受けやすいため特別な注意が必要です。
1. なぜ室内でも熱中症になるのか? 主な原因
家の中にいても、室温や湿度が高い状態が続くと体温調節がうまくいかなくなり、体内に熱がこもってしまいます。特に以下のような環境や行動はリスクが高まります。
- エアコン(冷房)を使わずに過ごしている
- 窓を閉め切っていて風通しが悪い
- 夜間になっても壁や天井の熱で部屋が暑い
- のどの渇きを感じにくく、水分をあまり取っていない
「外出していないから大丈夫」という油断が、室内熱中症を引き起こす原因になります。
2. 高齢者が特に注意すべき熱中症・脱水の初期サイン
ご高齢の方は、加齢に伴い暑さやのどの渇きを感じにくくなる傾向があります。また、体内の水分蓄積量自体が減少しているため、自覚症状がないまま脱水が進行する「かくれ脱水」に陥りやすいのが特徴です。 夏バテと見分けがつきにくいため、以下のサインが見られたら熱中症や脱水を疑いましょう。
- いつもより元気がない、活気がない
- 食欲が落ちている、食事を残す
- 体がだるそうにしている
- 立ちくらみやふらつきがある
- 尿の回数が少ない、または尿の色が濃い
- 頭痛(頭が重い)、軽度の吐き気がある
「少し様子を見よう」と判断を遅らせると、急激に重症化することがあります。いつもと違う様子があれば、すぐに涼しい場所で休ませてください。
3. 持病(高血圧・糖尿病・心臓病・腎臓病)がある方の注意点
生活習慣病や慢性疾患で通院中の方は、夏の体調変化に細心の注意が必要です。
- 高血圧・糖尿病の方:大量の発汗や水分不足によって血液が濃縮されると、血圧や血糖値のコントロールが不安定になります。また、服用しているお薬(利尿薬など)の種類によっては脱水を起こしやすい場合があります。
- 心臓病・腎臓病の方:脱水は心臓や腎臓に大きな負担をかけます。一方で、水分を急激に多く取りすぎると心不全や腎機能悪化のリスクがあるため、適切なコントロールが必要です。
暑さで食事が取れない、水分が取れない、ふらつきが強い、普段の血圧と大きく異なるなどの症状がある場合は、無理をせず当院へご相談ください。また、お薬は自己判断で中止せず、気になる症状は必ず医師に確認しましょう。
4. 日常生活でできる熱中症予防の基本
熱中症予防の基本は「室温の管理」と「こまめな水分補給」です。
① エアコンを上手に活用する 「エアコンの風が苦手」「冷えすぎる」という方も、室温を確認しながら無理のない範囲で冷房を使用してください(室温28度以下が目安です)。風向きを上方に設定する、薄手の上着やひざ掛けで調整するなどの工夫が効果的です。
② タイミングを決めて水分を取る のどが渇く前に、少しずつこまめに飲む習慣をつけましょう。以下のタイミングでの補給がおすすめです。
- 起床時 / 就寝前
- 毎食の前後
- 入浴の前後
- 外出の前後
※心臓病や腎臓病などで医師から水分制限の指示が出ている方は、必ず主治医の指示に従ってください。
5. 病院受診・救急車を呼ぶべき目安(早めに相談したい症状)
以下のような症状が見られる場合は、早めの医療機関への相談・受診をおすすめします。
- 水分が十分に摂取できない
- 強いだるさやふらつきが改善しない
- 吐き気や下痢が続いている
- 尿が半日以上出ていない
- 頭痛が長引いている
【緊急の対応(救急車)が必要なサイン】
- 呼びかけに対する反応がおかしい、意識がぼんやりしている
- 自力で水分が全く飲めない
- 体が異常に熱い(高熱)
- けいれんを起こしている
6. ご家族や周囲の方による「見守り」のポイント
ご本人が暑さや体調不良に気づいていないケースが多々あります。同居されているご家族や、近隣にお住まいの方は、以下のポイントを定期的に確認してあげてください。
- 室温計を確認し、エアコンを入れているか
- 手の届く場所に飲み物を置き、水分を取れているか
- 3食しっかり食事を取れているか
- いつもより受け答えが遅いなど、元気がない様子はないか
- 処方されたお薬をいつも通り飲めているか
周囲からの「水分取ってる?」「エアコンつけようね」という少しの声かけが、命を守る予防につながります。
🧡院長からのひとこと(熊本弁)
「熱中症は外でなるもん」と思っとる方も多かかもしれんですばってん、家の中でも起こるこつもあっとです。
特にご高齢の方や持病のある方は、暑さや脱水の影響を受けやすかです。
暑か日は無理せんで、エアコンば使って、水分ばこまめに取ってください。いつもと違うだるさ、ふらつき、食欲低下などがあるときは、我慢せんで早めにうちの医院にご相談くださいね。

