こんにちは。シャロームにっさい医院 院長の山下啓史です。
今年の夏は例年以上に厳しい暑さが続いています。全国的に記録的な猛暑となっており、埼玉県内でも連日35℃を超えるような危険な暑さが続いています。
坂戸市も例外ではなく、体調管理にはこれまで以上に注意が必要です。特に高齢者や持病のある方は、熱中症のリスクが非常に高いため、予防と早期対応が重要です。
🔶 熱中症になりやすい人・なりやすい理由
熱中症は、気温や湿度が高くなると誰でもかかる可能性がありますが、特に以下のような方は重症化しやすく注意が必要です。
- 高齢者
加齢により喉の渇きを感じにくく、体内の水分量も減少しているため脱水になりやすい。暑さを感じにくく、エアコンの使用を控える傾向もあります。 - 認知症のある方
暑さや体調変化への気づきが遅れたり、適切な水分補給や室温調整ができない場合があります。 - パーキンソン病などの神経疾患
自律神経の機能が低下し、発汗や体温調整がうまく働かなくなり、熱中症リスクが上がります。 - 心疾患や腎疾患のある方
水分の摂取・排出のバランスが難しく、熱中症の予防と治療が複雑になります。
🔶 熱中症を防ぐための4つの基本対策
- こまめな水分と塩分の補給
喉が渇く前に少量ずつ水分を補給しましょう。経口補水液やスポーツドリンク、塩タブレットも有効です。
※高血圧や腎疾患で塩分制限中の方は、使用前に医師へご相談ください。 - エアコンを我慢しない
室温が28℃を超えないようエアコンを適切に使用しましょう。扇風機やサーキュレーターとの併用も効果的です。 - 栄養のある食事をとる
体温調節にはエネルギーが必要です。特にタンパク質・ビタミン・ミネラルを意識しましょう。 - 周囲とつながる
一人暮らしの方は、ご家族やご近所とこまめに連絡を取り合いましょう。
また、坂戸市内には、埼玉県が設置している【まちのクールオアシス】(冷房の効いた公共・民間施設)があります。外出中の一時避暑スポットとしてぜひご活用ください。
🔶 熱中症を疑うべきサイン(初期症状)
以下のような症状が見られた場合は、すでに熱中症が始まっている可能性があります。まずはすぐに涼しい場所に移動し、水分・塩分を補給してください。
- めまい、立ちくらみ
- 足がつる(筋肉のけいれん)
- 顔のほてり
- のどの強い渇き
- だるさ、倦怠感
- 軽い頭痛、食欲低下
🔶 こんな症状が出たら、迷わず受診を!
下記のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。重度の熱中症の可能性があります。
- 呼びかけへの反応が鈍い
- 意識がもうろうとしている、反応が悪い
- 自力で水分をとれない
- 吐き気や頭痛が長引いている
- 体が熱く、汗をかいていない(乾いた皮膚)
- 歩行困難、けいれん、言葉が出ない
当院では、軽度の熱中症に対する初期対応や診療、経過観察まで対応可能です。
ただし、意識障害やけいれん、歩行困難などの中等症以上が疑われる場合には、速やかに救急要請または大きな医療機関の受診が必要です。
ご自身やご家族の体調に「いつもと違う」と感じたら、ためらわずにご相談ください。
🧡 院長からのひとこと(熊本弁)
暑か夏の坂戸たい。無理せんで、こまめに水ば飲んで、涼しかとこで休みなっせ。
体の調子がちーっとでもおかしか思うたら、無理せんごつ、早よ相談してくれんね。